必ずご自身で「確認」のうえ「自己責任」にてご利用ください。 当然ですが、損害を蒙ったとしても、なんら保証されるものでは有りません。

崖の回避

クリスマスを控えた週末と、週初のNY市場が2日連続で下げていますが、原因は当然財政の崖への懸念で、今週の日本も崖が回避できるかどうかに注目が集まります。
では民主党と共和党の増税案に対する妥協が年内に成立するかと言えば、共和党が成立を目指した年収100万ドル以上者だけの増税案が、反対派の巻き返しで不成立に終わったことを考えれば、これは無理です。
なんといっても共和党はベイナー下院議長を始め、党員の90%が「あらゆる増税に反対する」の宣誓書に署名していると言いますから、消費増税案成立を敢行した日本の民主党の惨敗を見せつけられた後では、国会議員である自らの地位をかけた増税反対派が勢いずくのは当然なのです。
「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」との名言を吐いたのは、かつて自民党の副総裁だった大野伴睦氏ですが、地方の名士が議員になっていた昔と違い、今の議員は選挙に落ちれば、「ただの失業者」のことも多いですから、当落線上の議員が「世界不況回避より議席の獲得」を優先するのも分かります。


しかしそれでは年内の妥協が成立しないで、「財政の崖に転落する」かと言えば、それも考え難く、現実には減税を1~2ヶ月延長することで年内は決着し、当面の崖からの転落は回避されると思っています。
ただ問題は崖が回避されるにしてもそれまでの数日間はより緊張が高まり、NY市場が下げやすくなることと、正月連休は日本が米国より長いことで、万が一米国が崖の回避に失敗し、NYが大きく下げると日本株が対応不能になりかねない事です。
しかも警戒すべき日本の裁定残は、既に減少傾向が出ていますが依然2兆円余りの高水準にあり、増加も減少も一方向に続きやすい性格を持っていることで、転落回避の楽観論が崩れると「マーライオンのように吐く」と言われるノロウイルス感染者のように、吐き続けることになります。
今週の相場はNY市場の大幅安もありうるを前提とした、個人投資家中心の個別物色と言ったところですね。(^_^)

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