以前から苦々しく思っていた『たこ足配当』の毎月分配型投信に、法的規制の動きが出てきました。
これは今日の日経の一面に掲載されていますが、要は地方金融機関まで広がった「グロ―バル・ソブリン・オープン」に代表される、元本を削りながら配当に回す投信に規制を掛け、増え続けている高齢者の理解不足による金融損失を防ごうと言うものです。
最も理解不足とは言っても今時の金融機関なら、販売時に顧客から「確認書」等に署名捺印を貰い、顧客が理解したとする証拠を残しますから、法的には問題ないはずなのですが、現実には高齢者の場合は、販売金融機関や人間を信頼しての所謂「めくら判」の事が多く、実態が機能していないのです。
また現在では販売サイドにも問題があり、リスクがある商品を売るのが当然の証券会社から、リスク商品を扱ってこなかった地方銀行などが販売するようになり、経験不足から、銀行員などの販売側がデリバティブを組み込んだ金融商品のリスクを十分理解していない場合が多いのです。
結果、元々リスクの理解が出来ていない販売員が、毎月分配の表面利回りの高さだけを売りにして、これも理解が出来ていない高齢者に販売することが多かったため、時間経過後、元本の大幅な毀損に驚く高齢者による「こんなはずではなかった!」のトラブルが多発しているのです。
売る方も、買う方も商品を理解出来ずに結果が悪ければ、トラブルになるのは当然で、しかも外国債券型ファンドなどは、たこ足配当で元本が傷ついたら、回復は理論上は可能でも、実質的には「不可能」です。
可能で不可能とは妙な言い方ですが、例えて言えば、グロソブなどの海外債券型投信が、設定当初の元本を運用により回復する確率は『宝くじの1等を100回連続して当てる確率より低い』と思えるのです。
余りにトラブルが多いが故の、今回の規制の動きでしょうが、これは平九郎も賛成で、むしろ遅きに失したと言うべきかもしれません。(^_^)
ところで、来週2月4日には今年2度目のFUJIYAMAが開催されますが、講師への謝礼なし、交通費も講師の自腹という超過酷な条件の為、話し手を探すのに苦労し、再び平九郎が務める事になりました。(笑)
メモは始めてから既に8年は経過し、FUJIYAMAも今年5年目となり、講師を務めることが多かった平九郎には話すことが無くなってきていたのですが、実は過去一度も話していないのが信用取引の話で、次回は『信用取引のリスクと安全な利用法』を題材に話すつもりです。
しかし、これは信用取引を勧めるものではありませんし、信用を利用して利益を増やそうという話でもありませんので、十分ご理解の上ご参加下さい。(^_^)
分配型はホントに罪な商品ですよね。
分配型買うくらいなら、ノーロードかって、毎月ほしい分を解約したほうがいいのに・・・。
私は現物オンリーなので、ロングしかできません。
(最近はブルベアファンドを組み合わせてます)
ヘッジで、ショートできないのは痛いなと思ってます。
(自分の性格上買いすぎますので、それでも信用はしてません)
まるまるまるたさん
信用は「繋ぎ」に限った取引に限定できるなら、危険はないのですが、慣れからくる油断で、破綻することも多いです。
信用は使わない方が結果として利益は多くなると思いますよ。
使っていると必ずと言ってよいほど、やりすぎになります。
ただブルベアも保有コストが高いので、ご注意くださいね。平九郎
分配型の法的規制、私も大賛成です。
はっきり言って、分配型投信を買う人のほとんどが理解していないように感じるのですが・・・
ですが、最近の銀行さんはホントに色んなものを売りにきますね。
うちにはコーラブル債を売りにきました。しかも元本部分は「ノルウェー金融公社債」でした。
もちろん買っておりませんので何の損失もありませんが、分配型に限らず、リスク性商品を売る金融業者をもう少し厳しく選別したほうが良いように思いました。でないと商売なんで、売り手は何でも売っちゃいますよ。
suzumeさん
分配型投信や、デリバティブ商品を売るのが証券会社の場合は、買う方もさほど信用していないので、大した問題にはなりませんが、地方だと、いまだに銀行員や郵便局員の信頼は絶大です。
しかも商品の選別はデリバティブを扱いなれた人間にさえ難しく、銀行員などはなにも分からず売っていると言ってよいでしょう。
先日結婚式以来あったことがなかった叔母が30年ぶり位に欧州債券ファンドで大きな評価損を抱えていると相談されましたが、手の打ちようがありませんでした。
ノルウエー金融公社債などは債券のプロでも判断を間違えたと思いますから、地方の銀行員や、高齢者では理解するのは無理でしょう。
また金融商品が難しくなりすぎたことが、今後インフレ懸念時が出た時に、大衆が金やプラチナなどの貴金属に走る原因になるのだと思っています。
平九郎