今日はSQでもあり、すこし忙しいので先日のFUJIYAMAで話した、投資調査の実例のレジメを張ってみました。(^^)
2009年6月6日
調査手順と現実・スカパーJSAT・HDの事例
平九郎
● 正解は無数にあり、絶対は無い。
● 自信を得るために調査する。
投資決定の手順
1、世界観と、景況感、相場位置の認識から投資アイデア構築
2、新型インフルエンザ流行の世界不況下でも業績を伸ばせると思える企業で・国益に沿い、自分の価値観に合った企業を選ぶ(政策的追い風・エコポイント等)
3、スカパーJSAT(9412)ジュピターテレコム(4817) 任天堂(7974)等選定
4、スカパーJSATのみ来期減益予想だが、株価は急落後に上昇中→なぜ?
①四季報・会社ホームページ・決算短信・有価証券報告書調査・ネット掲示板による調査
②株式指標は現在を見るには役立つが、必要なのは将来の展望
③判明事項
ア、合併企業のため、過去との連続したデータが無く過去との比較が出来ない。(パソコン上で調べ難く、現在は人気が無い)
イ、過去の四季報調査で合併するごとに時価総額が縮小。(03年1300:2300→09年1300)
ウ、株式評価損の特損が発生したばかり。(既に出ており急な特損を警戒する必要がない)
エ.副社長が4月突如退任し、それがキッカケで株価下落。
オ.直近で発表された来期会社予想が四季報予想を下回る。
カ.12年度経常利益300億円の中期経営計画の存在
キ.今後の会社予定
今秋ハイビジョンチャンネル70に拡大→プロ野球交流戦全試合生放送
クラウドストレージサービス開始→データ保存にCS送信技術応用
移動体通信事業開始→海外山岳部や、移動中船舶からの衛星通信事業
来年6月サーカーワールドカップ開催→日本現在2位 出場権利獲得なら加入者急増も
12年にCS.BS一体化で受信対象者拡大
④会社説明会動画放送チェック
⑤企業IRへ電話調査結果・問題は②のエ.オ(以下同社IRより)
ア.副社長退任は社内稟議を通す必要のある案件をうっかり、独断で実行。
副社長はコンプライアンス担当役員のため、責任を感じて退任した。
イ.前期売上げに、宇宙通信合併による衛星中継器売却の計上があり前期の売上げと利益がかさ上げされている。(前期利益の増加20億)
ウ.今期新たに2機の衛星を打ち上げるため、新たに減価償却費が発生する。(費用20億増加(当然の費用発生で、経営の悪化では無い)。
エ.前期までは準備期間。今期より攻めに転じるため、販促費として販売店のインセンティブの計上が大きい。一時的費用30億増加(来期以降のために先行投資)
5.実地調査
近所のヤマダ電機→スカパーのパンフ、たて看板が目立つ位置に設置
6.
①会社は中期経営計画を変えていないだけでなく、達成できると考えている。
個人契約目標50万件増の430万件 →過去ワールドカップ時は30万件増えた
②エコポイント制度実施で、BS・CSチューナー内臓の薄型テレビの販売が前年度比60%急増しており、新型インフルの流行も追い風の可能性高い。
③特段の変化が無ければ、1年後の6月に出る四季報予想は、12年度の会社計画の経常利益300億に近くなるはず。
10年3月予想90億 11年予想100~200億 12年度予想300億となるはず。
7.ベストシナリオに、考えられる様々なアクシデントをぶつけてみて、耐えられるとの判断なら、投資実行。(衛星打上失敗等)
以上
ちなみ衛星の打上は失敗しても保険金が降り、発生するはずの減価償却費が未発生となるため打上が失敗すると増益になる可能性がでます。(^^)
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